山崎佳代子・朗読・詩は旅をする

10月30日(日)15時~ 
定員15名 参加料: 2000円

КАЈОКО ЈАМАСАКИ: ЧИТАЊЕ, ПУТОВАЊЕ

1979年10月から日本を離れ、バルカン半島で暮らしはじめ、セルビアの首都ベオグラードから日本語とセルビア語で詩を紡ぎ続けてきました。西荻窪で今秋、2冊の詩集から朗読いたします。詩集を日本で朗読するのは12年ぶりとなりました。地球の各地に戦火が止まず不安につつまれていく今、言葉のむこうに拡がる世界へ小さな旅をご一緒しましょう。

『黙然をりて (もだおりて)』(書肆山田・2022年)
言葉を失うとき、言葉を奪われるとき、言葉が消えるとき。言葉のない世界をつつむ空の記録が『黙然をりて (もだおりて)』です。セルビア、南イタリア、沖縄や京都の旅の記憶を重ねました。作品は、2011年3月11日の東北地方太平洋沖大地震から2020年春に始まったコロナ禍までに生まれました。装丁:扉野良人; 装画カタリーナ・ザリッチ (「風の子守歌」)


『海に行ったらいい』(思潮社・2020年)
 私の父は1928年9月1日に小牧市に生まれ、2015年12月14日に静岡市で逝去しました。2週間続いた入院生活でしたが、母と弟と甥とともに見舞うことができたのは、幸いなことでした。扉野良人により、詩の作品ひとつひとつに、水平線と星の輝きが与えられました。この世の世界、そしてその後の世界のひろがりについて、大切な人を見送るということについて、うたいます。装丁:扉野良人; 装画カタリーナ・ザリッチ (「塔」)

山崎佳代子
 1956年生。静岡市出身、ベオグラード在住。詩人、翻訳家。詩集に『黙然をりて』(書肆山田、2022)、『海にいったらいい』(2020・思潮社)など。翻訳書に『若き日の哀しみ』(東京創元社)など。エッセイ集に、内戦で難民となった人々の聞き書き、『パンと野いちご』(2018・勁草書房、紫式部賞)、『ベオグラード日誌』(2014・書肆山田、読売文学賞受賞)、『そこから青い闇がささやき』(2022・ちくま文庫)など。合唱曲『水脈速み』をはじめ、作曲家松下耕とのコラボレーション多数。セルビア語でも詩人として活動。