丸の内三菱ビル地下ショーウィンドー展示・櫻井美江

昨年春より、東京丸の内にある三菱ビル地下通路にて作品の展示を行っております。

5月30日からは「ギャラリーへ行こう2025」数寄和賞の櫻井美江さんの作品展示を行っております。

 

櫻井美江(サクライハルエ)1972年 東京生まれ

人はいくつもの役割を持って「私」として社会に存在しています。みなさんは、自分の中にいくつの役割を見つけられるでしょうか。

たとえば私は、母親であり、教員として何かを伝える立場にあります。それと同時に、アートセラピストやヨガインストラクターとして誰かに寄り添う立場でもあり、時にはそれらを学ぶ者でもあります。妻であり、娘であり……そしてやはり、アート表現者でありたいと願っています。

私たちは日頃、いくつもの「私」を、明確な境界線を意識することなく、それぞれの場面に応じて無意識に上手に使い分けています。 では、本当の「私」とはどの私なのでしょうか? それぞれの役割を担った集合体が「私」なのか、それとも、すべての役割を切り離したどこかに本当の「私」が存在するのでしょうか。

私の制作モチベーションは、まさにそこからきています。

2007年に長男を出産し、彼に療育が必要になったことで、「まずは“良い母親”でいなければならない」という思いが強くありました。現実世界での出産や子育てを通して、自分にとってアート制作とは何なのか、その意味がみえない時期が長く続きました。

ある時、捨てられずに溜まっていく、子どもたちの着られなくなった服や、返却された学習プリントを見て、そこに大切な何かが宿っているように感じました。そして、それらと対話するように、その上に制作を重ねることで、見えてくるものがあるのではないかと思い、現在の表現活動に至っています。

家族の日常の欠片をアートの支持体(素材)にすることは、私自身を守り、安心して制作を行うためのバウンダリー(境界線)になっています。そうして出来上がった作品は、日々の断片を繋ぎ合わせた「今」であり、「いま・ここ」の私です。

本当の私は何なのか。
それを絶えず問い直し、確かめ続けるための、大切な印となっています。

 

エデュケーション

1997 年 東京造形大学 造形学部 美術学科 ( 絵画版画コース専攻 ) 卒業 

1998 年 東京造形大学 造形学部 美術学科 ( 絵画版画コース専攻 ) 研究生修了

2000 年 ロンドン芸術大学カンバウェルカレッジ 大学院 版画コース修了

2014 年 英国アートセラピスト協会 アートセラピーファンデーションコース 修了

2020 年 武蔵野大学 通信教育部人間科学部 人間科学科心理学専攻 臨床発達心理コース卒業 

 

エキシビション

1996 年 第 6 回 アートボックス大賞展 ( 麻布工芸美術館、東京 )

1998 年 Agart World Print Art Festival  (スロベニア)

1999 年 第1回 神奈川国際版画トリエンナーレ (神奈川県民ギャラリー、横浜)

2000 年 「Printmaking Show」 (センターナリーギャラリー、ロンドン )

2001 年 「Gods & Monsters 」(ヘンシャー アート&クラフトセンター、ノースヨークシャー / イギリス )

2001年「Morley Print Show」(R.K. バートギャラリー、 ロンドン)

2003年「INFINITY」(St. Cyprian’s Church, ロンドン)

2006年「Loop」(Menier ギャラリー、ロンドン)

2012年 第6回ドウロ国際版画ビエンナーレ(ポルトガル)

2021-25年「ギャラリーに行こう 2021-2025」(数寄和ギャラリー、東京)

2024年「動物展」、「あわいの森」(ジェーナスクリエーション、東京)

2025年 Fab10(CCAAアートプラザ、東京)

 

個展

1996年 アートボックス ギャラリー (東京)

1997年 銀座九美洞ギャラリー(東京)

2001、2003年 ギャラリーポエム (東京)

2002、2004年 ギャラリー福山 (東京)

2023年 ジェーナスクリエーションギャラリー(東京)

 

受賞/出版

1996年 アートボックス大賞展 中林忠良賞

1997年 版画藝術 No97 オリジナル版画制作

2000年 Edward Arizzone Prize(イギリス、ロンドン)