1/29//2009  数寄和大津 近辺情報

もっと光を…

■ 空気と光と友人の愛。 これだけ残っていれば気を落とすことはない。(ゲーテ格言集より)
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あっ
やぁらかい光、あったよ。

ほかにも、あるんじゃないかな。

光のさす方へ…


 
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人間は行きたいほうへ行くがよい。人間はしたいことをするがよい。
しかし人間は、自然がえがいている道へ、必ずまた戻ってくるに違いない。
(ゲーテ格言集より)

ゲーテはドイツの詩人、小説家、劇作家であり、また光と色の研究もしていました。
ゲーテは、死ぬ前の年に「私は詩人としてかなり知られている。けれども私が、いろいろな自然現象を理解しようと熱心に努力し、真けんに追求しようとしていることはそれほど知られていない」と、自分自身で書き残しています。

光と色を研究して書いた「色彩論」。この中で、特に注目されるのは、明るさと暗さ・光と暗闇についての人間の目の感覚を観察したところです。
ゲーテにとって闇は、光と共に色彩現象の両極をになう重要な要素で、…もしもこの世界に光だけしかなかったら、色彩は成立しない。もちろん闇だけでも成立しない。光と闇の中間にあって、この両極が作用し合う「くもり」の中で色彩は成立する…とゲーテは考えました。

暗い場所から急に明るい場所に出ると、目の前が白っぽくなってまわりの風景が見えなくなります。しばらくすると目が馴れて見えてきます(明順応といいます)。逆に明るい場所から暗い場所に行ってもしばらく何も見えなくて、少しずつ見えるようになります(暗順応といいます)。
暗順応のほうが明順応より長い時間がかかること、順応にかかる時間は人それぞれだということを観察しています。

初めて、暗順応と明順応を研究したのが、ゲーテでした。

 
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花を与えるのは自然、編んで花輪にするのは芸術。
(ゲーテ格言集より)

眼はひとつの色彩の状態にとどまらず、明るさと暗さという両極にあるものを呼び求め合うことによって新たなる色彩を生み出します。ゲーテは、静止した対象としてではなく、生成するものとしての色彩を見いだしました。ゲーテにとって生きるとは活発に運動し、新たなるものを創造することでした。

 
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…もっと光を…この世を去るゲーテの言葉だったという説もあり、違うという説もあり…

色彩は光の行為である。行為であり、受苦である。
(色彩論まえがきより)

機知に富み、うちとけた言葉は永久に生命を持つ。
(ゲーテ格言集より)