10/29//2008  数寄和大津 近辺情報

あい

■ 五十音の最初の二文字。
平安文学では「愛し(かなし)」と読み、いとおしみ離れ難い心境をあらわしたようです。
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「フランス詩を書く」展から、半年がたちました。
「愛のフランス詩集」は世界中の人々から愛されてきたフランスの詩を
吉田加南子先生が訳され、天来書院様が発行された本です。
久しぶりに開きました。
漢字かな交じり書、調和体等の呼び方の書作品を作成するのに、活躍してくれる本です。

さて、漢字かな交じりのかなは、現代の小学校で習ったあいうえおの母音から始まる五十音。
五十音・五十音図は、江戸時代からのもののようです。
古くは、五音(ごいん)・五音図・五音五位之次第・音図・反音図・仮名反(かながえし)・五十聯音(いつらのこゑ)などと呼ばれていたようです。

 
秋風やむしりたがりし赤い花(一茶)やっと咲いて白い花だった(山頭火)
>> 秋風やむしりたがりし赤い花(一茶)
やっと咲いて白い花だった(山頭火) (92.17KB)

花の詩(天来書院様発行)も開いてみました。

ああ、りんどうの花がさいている、もうすっかり秋だねぇ。と宮沢賢治。(ほんと。すっかり、あきですね。)

天の川紅葉を橋にわたせばや七夕つめの秋をしぞ待つ
よみ人しらずなのですが、なんとも言えず、美しい彩りが見える歌。漢字かな交じりの書を書かれる方に良い本だと思います。


あい。愛。
私は、手のなかか、空にあると思っていたように感じます。
今は、空気の中にもあるようにも感じます。
勿論、作家さんの手によって制作された作品のなかにもありますね。此処に居るとそう実感します。

皆さんは、何処にあると思いますか。

愛が更に進化した場合を、慈悲と呼んで区別する場合もあるようです。慈悲の場合は、対象や相手を持たずに、更に愛があふれ出ているようです。少し、宗教的ですね。
先回の展覧会の仏画作品「普賢新生菩薩」。光り。美しい彩り。世界に対する大きな信頼(愛です)、未来に対して大きな信頼(愛です)、そして自分に対しての信頼(愛です)があるからこそ、新生菩薩さまは現れようとするのではないでしょうか。作品を観ることで、より深く物事を考えます。
芸術の秋です。(あ)