3/12//2008  数寄和大津 近辺情報

勢多と鳰海

■ 大昔は、瀬田川の東岸の集落を瀬田郷と呼んだようです。
ここには、和銅元年(西暦708年)より684年間、近江国府が置かれました。
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桜の歌をたくさん詠んだ歌人西行。
瀬田大江に、一時暮らしていたそうです。
瀬田小学校の近くに西行屋敷跡の石碑があるようです。

瀬田の地で詠んだ西行の歌
此の里はゆひする人もなきやらん
さなへのふしの三ふし立つまで

稲や木を実際に見ると、不思議な当たり前に気づきます。

現代のキカイで表したまっすぐな線で出来た字ではなく、
書作品の面白みのある太いところや細いところが自然にあるカタチ。

自然の木のカタチ。

自然のカタチを愉しんだ歌や書。
ぜひ、愉しみたいですね。

歌人西行の有名な歌
願はくは 花のもとにて 春死なむ 
そのきさらきの 望月の頃

もうすぐ春。桜が咲きます。咲き誇り、人々に愛され、散ります。

 
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水鳥をみつけました。

 
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一瞬で、隠れました!

鳥という字も、自然なカタチです。
幼いときに最初に習った山や川。自然なカタチです。

 
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たくさんの水鳥を見つけました!
びわ湖にはたくさん、水鳥がいます。

滋賀の県鳥カイツブリは別名鳰(にお)と呼びます。
歌で見る、鳰海(におのうみ)とはびわ湖の古称です。

 
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ボートを漕ぐ、若い人たち。

水鳥といいボートといい、
のどかな流れの瀬田川らしい風景です。

勢多と呼ばれていた頃は、台風や大雨の後には、家が水浸しになることもあったようです。

鈴鹿山 うき世をよそに ふりすてて いかになり行く 我身なるらむ
春浅み すずの籬(まがき)に 風さえて まだ雪消えぬ 信楽の里
にほてるや 凪ぎたる朝に 見わたせば こぎ行く跡の 浪だにもなし
おぼつかな 伊吹おろしの 風先に 朝妻舟(あさづまぶね)は 会ひやしぬらむ
榑舟(くれぶね)よ 朝妻渡り 今朝な寄せそ 伊吹の岳に 雪しまくなり
水上は 清き流れの 醒井に 浮き世の垢を すすぎやみん
春風の 花の吹雪に うづもれて 行きもやられぬ 志賀の山みち

それぞれ西行の歌です。

芭蕉も尊敬したという西行。新古今集には最高の94首が入っています。

多くの歌人が詠った近江の美しい風景。
ぜひ遊びに来てください。
滋賀大津にお越しの際には数寄和大津にお立ち寄りください。

 
数寄和大津から見た夕陽
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