3/10//2008  数寄和大津 近辺情報

瀬田の唐橋

■ にほの海や かすみてくるる 春の日に
わたるも遠し せたの長橋
藤原為家

子年  雪の日の唐橋
>> 子年 雪の日の唐橋 (168.41KB)

今年の冬は大変雪の降る日が多く、
唐橋を渡る時は、注意深く足を運びました。
ぎぼしにも、ほら、雪が。
ぎぼしとは、橋の欄干についてある宝珠のことです。

藤原為家の歌をしみじみと味わう日。

長橋と呼ばれるだけあって、意外に道のりが遠いのです。

唐橋の長さは大橋が163.8メートル、小橋が46.8メートルあるそうです。

雨降りの今日の唐橋からの景色をご紹介します。

 
子年 弥生 雨の日の唐橋より
>> 子年 弥生 雨の日の唐橋より (150.78KB)

いにしへは現在地よりも南の位置、蛍谷と橋本の間に架けた橋だったようです。現在の位置には織田信長が移したそうです。大橋と小橋もこの時に出来ました。
勢多橋、瀬田橋、世田橋、勢多長橋など、呼ばれました。
古の歌に詠まれ、芭蕉の俳句と、文学にも多く関わりを持ちます。奈良時代に成立した日本の歴史書である日本書紀にも登場します。

 
瀬田の唐橋より 西南側の景色
>> 瀬田の唐橋より 西南側の景色 (140.46KB)

晴れた日の景色とはかわり、
雨の日は水墨風の景色が、ひろがります。
水面に、景色が映ります。

今では、ボートが瀬田川に浮かびます。
昔の舟遊び。舟の上のすき焼の美味しかったこと。

 
瀬田の唐橋より 東南側の景色
>> 瀬田の唐橋より 東南側の景色 (119.3KB)

引き渡す 瀬田の長橋 空晴れて
くまなく見ゆる 望月の駒 藤原顕季

昔の橋はたいへんと情緒があったと思います。

交通量がどんどん増えて、現在のコンクリートで出来た唐橋は、歩道があり安全です。
唐橋の東詰から山を眺めながら橋を渡ると、これからの桜の時期、新緑の季節とたいへん美しい風景があります。
唐橋の西詰から水面を眺めながら橋を渡ると、四季それぞれの水の表情があります。

 
瀬田東詰 石碑
>> 瀬田東詰 石碑 (173.17KB)

瀬田の唐橋東詰の石碑です。
石碑の書。
中国から渡った書。
古い時代の文字は、亀の甲羅や石などの硬いものに彫られたようです。
石に彫られる字は鋭いです。
紙の発明と墨と筆。
書家の方々は鋭い字も、やわらかな字も書かれます。

数寄和の初夏の展覧会は、
伝統文化から生まれ、育まれ、
そして更なる飛躍の結晶を楽しんで頂けそうです。
愉しみにしていてください。